新日本教育図書株式会社
当社は本州西端の山口県下関市に本社があり、英語教材・地域もの・錦鯉の専門誌のほか、沖縄の出版社ニライ社の発売元として、出版活動を50年近く行なっています。

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■ぼくの東京が燃えた

「焼夷弾の雨は、巨大なクリスマスツリーがゆっくりと地上に向かって降下 する景色に見えた。そして、僕の東京が燃えた。何もかも、灰にして……」著者の体験した東京大空襲の鮮烈な記憶を影絵で綴る。
ぼくの東京が燃えた

石井 昭著


定価(本体1,300円+税)
A5・ハードカバー・175頁

ISBN978-4-88024-195-1 C0095
 父が外務省に勤務していたので、カナダのバンクーバーで生まれた著者。その環境から、厳しい情報統制が敷かれていた戦時下に、普通 の人々とはちょっと違った“情報”を手に入れることができた。『いかにして日本を地球上から抹殺するか』というアメリカのコミック雑誌の内容など、戦後50年以上を経て明らかにされる事実の数々……。
 それらとともに、宮益坂の映画館で敵国アメリカのアニメ映画が上映されていたこと、原宿に海軍館というテーマパークがあったことなど、戦時中に著者が見聞きした東京山の手のあれこれを影絵とともに紹介する。
 しかし、東京大空襲がはじまり、すべてが失われてしまう。焼け野原となった東京は著者の脳裏に今も焼きついている。体験したもののみが描くことのできる空襲のおそろしさ、死の恐怖、戦争の愚かしさ……本書はそれらを影絵によってより具体的に、視覚的に見ることができる。
 現在、繁栄を続ける東京は、あの戦争の日々を忘れてしまったかに見える。しかし、そびえ立つビルの下に、焼夷弾で焼け尽くされた建物と犠牲になった人々がいたことを忘れてはならないだろう。
敵国アメリカのマンガが読みたい/大本営発表が唯一のニュース/欲しがりません勝つまでは/ぼくは映画少年だった/疎開先ではいつも腹ペコだった/戦時下の学校生活/空襲警報発令、敵機来襲/東京大空襲が始まった/特攻隊を生んだ軍国主義/食料が消えていく日々/東京が燃えつきた日/伝単が空から降ってきた/みんな、よく我慢したわね

<本文より>
 宮益坂を東横百貨店のほうに下りられないかと向かってみたが、坂の下から火の粉の混じった煙の壁が吹き上げてきて、その中から黒い人影がころがるように逃げてくる。煙はまっ黒であったり、灰色であったりする。(中略)ぼくらはあちらの路地、こちらの裏道と、必死になって逃げまわった。すれ違う人とあわただしく言葉をかわす。
 「そっちはどうですか」「まだ火は来ていません」「じゃあ、ぼくはそっちに行ってみましょう」「じゃあ、わたしたちはこっちに」
 どこが安全なのか誰にもわかりはしない。逃げまどうぼくらをあざ笑うかのように、すぐ後ろからつぎつぎに焼夷弾が破裂して迫ってくる。女の人が悲鳴をあげている。焼夷弾の雨がぼくらに追いつくのか、ぼくらの足が破裂より一歩先に行けるのか。