メルライン・フライダ氏はオランダ人で、彼のことを友人たちは
J.J. と渾名しています。「性・名」を示す Merlijn Frijdaという綴りの中に発音しない“J”が1つずつ入っているからです。
メルはアメリカ生まれで、赤ん坊のときオランダに帰って、高校時代まで故国で過ごしました。両親の仕事の関係もあいまって、同家を訪れるお客には英語話者が多く、意識しないままにメルは英語の話し言葉を身につけたと言います。また、小学校高学年から英語の書籍を読んできた結果
、英・蘭のバイリンガルになったとも言います。
中学校に入って選択した外国語はフランス語で、これは「早期学習&近隣国の言葉」だけに、さすがによどみなく使います。ラテン語とギリシア語は日本人の大学受験生が漢文・古文を学習する以上に学んでいます。ドイツ語はオランダ語の親戚
のような言葉だし、イタリア語とスペイン語もラテン語学習のおまけでカタコト以上に使いこなします。現在の日常語は日本語で、たしなみに中国語を学習中です。
メルは非常に好奇心の強い性格で、言葉が大好きな人だから、断片的ながら、沖縄方言はもとより、ヘブライ語やインドネシア語などにも興味を持って、その種の資料を米軍の図書館から借り出すなどして、常に何らかの言語関係の本を携帯しています。ジャック・ハルペン編の「漢英辞典」は常備品で、メルの言語に関する生活習慣にはあきれるほかありません。
ランダムハウスの英英辞典を調べながら、「ときどきこの本の編集者はドイツ語がよくわかっていないような気がする」などとつぶやいています。メルの頭の中には溢れんばかりの言語知識が詰まっていて、泉の水がふつふつと湧くがごとく、質問すれば尽きることなく言葉が出てきて、おしゃべりメルになります。
メルのお父さんはオランダの著名な心理学者で、著作も数多くあります。オランダは心理学発祥の地とも言えますが、現在も世界の先頭を走るほど研究が進んでおり、その中でメルのお父さんは
functional analysis(機能分析)の分野の第一人者です。お母さんはオランダの人気女優で、おそらく彼女の存在を知らないオランダ人はいないでしょう。
メルの性格は、お父さんの理屈っぽさとお母さんのエンターテイナー的な両方の血筋を受け継いでいます。オランダ人の自説主張癖は、メルに限ったことではありませんが、とりわけ彼にはその性癖が強く、間違いを指摘したら、朝の3時まで調べて調べて調べ尽くしたあげく、自分の間違いを発見して、“Sorry.
You're right. I'm wrong.”と言って帰宅の途につきます。
しかし、彼とのこんな衝突に不快感が残ることはありません。論争好きで、頑固一徹な性質だけど、人を楽しませたいという母の遺伝子を継承するゆえか、“See
you.”と言うときはいつもの快活なメルに戻っています。
メルの夫人は沖縄生まれの日本人です。上が男の子、下が女の子の2人の子持ちです。彼らは日本の学校に通
い・通ったので、沖縄方言混じりの標準語を母国語とします。英語はやや不十分な部分はあっても、まあペラペラと言える日・英のバイリンガルです。
メルは『英単語マニア』の制作にさいして、ゲルマン語系の英・蘭・独、ラテン語系の仏・伊・西、古ヨーロッパ語の羅・希、そして日とちょっとだけ中を参考にして、英単語の語源を探索し、彼の脳内辞書を軸に解説してくれました。これまでこの種の類書はないと思います。
同書に関して、また英語の語源について知りたいことがあれば、当社まで質問をお寄せください。新たに「英語の語源を楽しむサークル」という場を設置して、どんな些細なことにでもお答えして、読者のみなさんには英単語を連想方式で覚えていただきたいと願っています。難しいお問合せについては、速やかにメルと連絡を取ってお答えいたします。
(編集部)