英語学習室

英単語マニア
『英単語マニア』[FAQ]

英文書道
『Kanji Calligraphy』

メルマガ


英語学習室(3-4)シンタックス法(9)Simple is Best(3)より

There構文とHere構文

 さて、ここいらで“There is 〜 .”の構文を攻略しておきたいと思いますが、とりあえずブック3の中から例文を抜き出しておきましょう。


(1)There is / a bus stop / across the street / from here.(3-9)
 (2)There is / a taxi stand / over there / near the hotel.(3-9)
 (3)There is / a bank / down this street.(3-9)

 3つの文ともに<There is +S(主語)+A(副詞類)>という文型です。なお、ここでのAは、ほとんど「場所を示す前置詞句」と見ていいでしょう。
 ところで、現在の英文法では、この種の文は“There 構文”と呼ばれ、<SV>型の文型の仲間に入れられています。つまり、(1)の例で示すと、is がV(動詞)であることに異論はないとしても、a bus stop をSとし、これを下記のようにSとVが“倒置”した<There +V+S>型の文と見なしています。

 There is a bus stop 〜 .
   V  S

 問題になるのは there の身分で、これを“予備の there”とか、また“仮主語”とか称して、SVOCAのどれにも属さない無宿人のような扱いをしています。このような矛盾が生じたとき、例外とするならまだしも、いったん定めたルールに加えようとすると、文法がどんどん複雑になっていきます。
 要するに、実際に話されているフレーズを、言葉のあとから理屈づけられた文法に無理に当てはめようとすると、どこかに破碇が生じてくるのです。いうなれば「言葉は常に文法と関わりなく存在している」のです。
 したがって、シンタックス法では現行の文法に合致させることにこだわりません。大脳の中の言語野で文が組み立てられていく流れのままに解釈していく状態を是としているのです。では、ひとまず There 構文を脇にどかして、ついでにブック3の中から Here 構文を拾ってみましょう。

 (4)Here's some medicine.(3-4)
 (5)Here're your tickets.(3-5)

(4)の“Here's(Here is)〜 .”が単数形で、(5)の“Here've(Here are)〜 .”が複数形ですが、これを“倒置構文”として文法書には次のような例文が There 構文と対比されて載っています。

 (6)Here's your money.
 (7)There're several books on the desk.

(6)では is がVで、your money がSですが、here が there と同じように風来坊のように扱われています。そこで、here の身分をひとまず棚に上げておくとして、(6)と(7)の構文上の違いを見てみると、(7)には on the desk という前置詞句がAの役割で添えられています。おわかりのように、here は距離的に話し手のすぐ近くなので、改めて場所を示す必要がありませんが、there は話し手から遠くに位置するので、there の場所を別に示さなければならないのです。
 つまり、(1)の There 構文は「そこにあります/バス停(が)」と言っておいて、おもむろに「道を股いだところに/この位 置から」と言い添える必要があるのです。
 さて、話を there と here の身分の話に戻してみましょう。アメリカ映画を見ていると、看護婦が患者に対して、また母親が子供に話しかけるシーンで、「私(お母さん)はここにいるわよ」といった様子で日常会話で頻繁に“I'm here.”というフレーズが出てきます。ところが、品詞分類上 here は副詞として身分が固定されているため、このフレーズでも here がやはり継子扱いになっています。
 ともあれ、シンタックス法では“There's 〜. ”“There're 〜 .”“Here's 〜 .”“Here're 〜 .”の文型が実際使えることを重視するため、文法上の理屈にはこだわりませんが、あえて見解を示すなら、この文型を<SVC>(倒置しているからCVS)の型として組み入れています。とすると、There 構文も、Here 構文も、<SVC>型が倒置した<CVS>の文型の仲間と見てとれるのです。
 なお、本シリーズに盛んに出てくる“Here you are.”や“Here we are.”などのフレーズについて、文法書では「there や here が場所を示す意味合いが強い場合、<S+V>の語順になる」としていますが、それだとやはり there や here の身分が軽んじられてしまいます。ここでの here は明らかに“強調”ですから、いちばん大切なメッセージとしてSVの前に出てきたものです。したがって、You are や we are がVSからSVに倒置したものと考えないほうが納得がいくとは思いませんか。
 文法を考えると頭が混乱してきますが、要するに There 構文も Here 構文も無意識に使えるようになればいいのです。