英語学習室

英単語マニア
『英単語マニア』[FAQ]

英文書道
『Kanji Calligraphy』

メルマガ


■英語学習室(4−1)シンタックス法(11) Simple is Best(4)より

2002.7.16(火)

■want toの応用で連鎖動詞を使いこなす

 中学・高校で6年間の英語を勉強してきた人なら、完璧ではないにしても、リスニングに限って言えば、“Simple is Best”の聞き取りはさほど難しくないかもしれません。本シリーズで取り上げた単語の範囲が中学校で教わる1000語プラスアルファにとどまっているからです。
 しかし、スピーキングはどうでしょうか。英語話者と一対一で対面したとき、本シリーズで設定した場面 と同じ状況に出食わしたとしたら、テキストにあるのとそっくり同じセリフを使う必要はありませんが、それに似た言葉が口から即座に出てくる自信がおありでしょうか。
 話し言葉は聞けるだけでなく、話せてこそ一人前です。話すためには、愚鈍なようですが、1つ1つのフレーズの構造を完全に理解していくのが最も手っ取り早い手段です。今回はブック4のレッスン2から次の3つのフレーズを取り上げてwant toの周辺について解説しておきます。

 (1) Where / do you / want to eat?
 (2) What time / do you / want to meet?
 (3) See you / at 12 a.m. / at Sizzler.

 (1)のwhereと(2)のwhat timeはともに疑問副詞ですから、文の要素としては副詞類(Advervial=A)に相当し、2つの文では「どこで?」「何時に?」と、最も肝心なことを初めに問いただしています。
 その答が(3)のat Sizzlerとat 12 a.m.です。<at+名詞>という形の前置詞句が副詞類であることは言うまでもありません。
 そして、両文から疑問副詞を取り外すと、(1)と(2)では動詞のeatとmeetが違っているだけで、do you want toの部分はまったく同じです。do youの部分が動詞文の疑問形であることは、英語学習の早い段階で教わるので、ここでは改めてその説明を繰り返しません。
 さて、残りのwant toの形を見ると、have toをはじめ、need toやtry toとよく似ていることに気付くはずです。
 have toは助動詞のmustに取って代われる〈助動詞もどき〉の語句と見なされていますが、よく見ると機能的にはwant toも同じ働きをします。実際、話し言葉でhave toがhaftaと発音されるに準じて、want toはwannaと発音されます。
 このtoはto 不定詞に属するものです。例文(1)ではto eat、(2)ではto meetがもともとのto 不定詞の姿です。つまり、文の要素としてto eatおよびto meetがwantの目的語になって、VO型を作っているのです。
 英語は原則としてナマの動詞を2つ続けて使えない構造になっているので、欲しい(want)対象を動詞を使って表わさなければならないとき、あとに続く動詞にtoを付けてto 不定詞の形に作らざるをえないのです。したがって、wantが「実動詞」で、to 不定詞に使われる動詞のほうは「準動詞」と呼ばれます。
 have、want、try、seem、come、go、helpのように、to 不定詞を続けることのできる動詞をcatenative verbs(連鎖動詞)と言います。「鎖」を意味するcatena-という語根はラテン語に由来しており、いうなればchainのことにほかなりません。
 いうなれば、「to 不定詞のtoは連鎖動詞にくっつけるための接着剤」のようなもので、もともと準動詞に付けていたものがいつしか実動詞のhaveやwantのほうにべったりくっついて離れなくなり、haftaやwannaとなり、あたかも助動詞のような働きをするようになったのです。
 ただし、本物の助動詞ではないので、canやmayのように、haftaやwannaが主語の前にしゃしゃり出てくることはなく、この場合の助動詞にはやはりdoが使われます。そのあたりの事情を十分に理解したうえでwant toを使えば、happen、begin、appear、failなどのほかの連鎖動詞を応用的に使えるようになります。
 言葉は丸暗記ではなく、理屈に基づいて記憶をしておくと、脳が百倍の応用力をもたらしてくれるのです。