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■英語学習室(5−4)音則法(11)“Simple is Best”(5)より

2002.10.25(金)

■長い文を上手に発音するコツ

 長い文を覚えられないという人にとって、レッスン5−8には絶好の練習材料がいくつかあります。次のフレーズは「助動詞もどき」の need to を使った言い方です。

  You need to / have the car / returned here / by tomorrow / at 12:00 p.m.
  (あなたは必要があります/ここに車を返す/明日の12時までに)

 ギルバートがこのフレーズを言い終えるのに約3秒かかっています。音則上の大きな区切りを双柱ケイで、小さなポーズを単柱ケイで示しておきます。

  You need to|have the car‖returned|here‖by|tomorrow‖at|twelve p.m.

 need to は want to や have to と同形の助動詞のような働きをする言い方で、want to より要求度の強い言葉です。この to はもともと後ろの動詞にくっついていた to 不定詞の to ですが、need の連結性が強いため、いつしか need to の形で定着したものです。
 ちなみに、この種の need や want のように、後ろに to 不定詞を続ける動詞を「連鎖動詞」(Catenative verbs)と称しています。連鎖動詞は「準動詞を後ろに従える実動詞」と定義できますが、wantのほかに、go、come、get、happen、help、begin、except、fail、manage、seem、appear、stopなどがこの働きをする動詞としてよく使われています。
 have the car returned の部分は<V+O+C>(動詞+目的語+補語)の文型です。この have は「〜される」という意味で、補語を伴って一人前になる動詞です。
 ちなみに、have には次の4つの働きがあります。(1)「持っている」、(2)「でなければならない」(have to = must)、(3)「してしまった」「したことがある」(完了形に用いられる助動詞として)、(4)「〜させる」(使役動詞)、「〜される」(補語を伴う)の類がその4つの働きです。たがいに共通 点があって、have がもともと「持っている」という状態動詞であることがよくわかります。
 副詞類による添加情報では、here で「場所」を示し、by tomorrow と at 12 p.m. で「日時」を正確に明示しています。by は「までに」と期限を示す言葉ですから強めに言いますが、12 p.m. と時間をはっきり言っているので、at は軽めに言います。
 もうひとつ次のフレーズを見てみましょう。

  If / you are / late,/ there will be / an extra charge / added / to your bill.
  (あなたが遅れたら/あるでしょう/追加される特別料金が/あなたの請求書に)

 このフレーズは if を使った「複文」で、主節は<there is 構文>の未来形が使われています。added は charge を後ろから形容しています。to your bill は前置詞句で、より詳しく説明した言葉です。従属節は単純な be 動詞文です。
 音則上の区切りを示すと次のようになっています。

  If|you're late,‖there|will be an‖extra|charge‖added to|your bill.

 ギルバートはこのフレーズを言うのに、3秒ちょっと要しています。聞き手にこれから言うことをよく聞いてくださいと心の準備をさせるために、If you're late の部分をゆっくり言っているからで、このフレーズもやはり3秒程度のものです。
 発音するうえで最も注意すべき点は added to の部分です。すなわち、added の語尾の〔d〕と to の語頭の〔t〕とが重なって、「重子音」のようになって、後ろの〔t〕だけがよく聞こえますが、この〔-d_t-〕の関係はよく出てくるので、これを音則法のルールのひとつとしておさえておいてください。
 an extra charge の冠詞の an は前の語に付くという音則上のルールがあることも思い出してください。ただし、ここでは非常に軽くて消え入りそうな音になっています。日本人の耳に冠詞が聞こえにくいのはこうした音則があるからです。
 以上の2つの文を3秒ちょっとで言えるようになるまで練習してください。せめて最初のフレーズは3.5秒以内、あとのフレーズは4秒以内で言えるまで練習してください。相当ゆっくり言っても、それくらいしかかからないはずです。もしそれ以上かかるようであれば、何かの音がうまく発音できていないのです。