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■英語学習室(7−5)Simple is Best(7)より語源法(4)

2003.1.22

■別れの挨拶言葉

 “Simple is Best”のレッスン7−8と7−9は「別 れるときの挨拶」ですが、映画やテレビにたくさん出てくるので、どんな場面 でどんな挨拶をしているかを調べて、その文の構造を確認しておくと、会話の終わりをぴしっと締めることができます。
 別れの挨拶では二度と会うことのない場面もありますが、別れるときの言葉の多くが次回の出会いのための挨拶にもなるので、状況しだいで言い方が違ってきます。「さよなら」のバリエーションはあまりにも多すぎて、丸覚えは負担になるので、やはり文の構造を理解して使うことをお薦めします。
 このうち“Take care.”に注目してください。このフレーズは今日では“Good bye.”と同じ意味でも使うようになっていますが、もとは「手にしなさい、用心を」という表現から出てきたフレーズです。
 使っているうちに take care 自体が1つの動詞のように意識された結果、「〜するように気をつける」と言いたいときには<take care + to 不定詞>の形をとるようになりました。たとえば、“Take care to keep your room clean.”(部屋をきれいにしておくように)などの例文がよく引き合いに出されますが、to 以下が何かの動作であれば、この例文のような形で使われます。
 ところが、「気をつける」対象を名詞や代名詞で示すときは to ではなく、of を使って<take care + of +名詞・代名詞>の形をとります。たとえば、“Take care of it.”(そのことに気をつけて)というフレーズなどがよく使われます。つまり、take care of が他動詞のような働きをするに至っているのです。
 さらに、“Take care of yourself.”とすれば、「あなた自身に気をつけてください」→「おからだを大切に」という意味になります。したがって、take care of yourself の形をそのまま自動詞と見なす考え方が現在の英文法の主流になっています。英語は常に変化しつづけています。
 米語は、大まかに言うと、シェークスピア時代(A.D. 1600年前後)にブリテン島のいくつかの地方で話されていた英語が下敷きになっています。実際、アメリカ東部の一部には17世紀当時のイギリス英語の音声がいまなお断片的に残されています。
 その後、いくつかのエポックがあって、シェークスピア時代の英語が米語へと発展していきました。
 今日の米語はイギリス英語以上に語彙や表現が豊富な言葉になっていますが、ここに至るまでには、移民たちの言葉が英語にもたらした影響を無視できません。ドイツ語やイタリア語はもとより、ユダヤ人の移民が話していたイディシュという言葉も米語に少なからぬ 変化をもたらしています。日本語の語彙も相当量が米語の中にまぎれ込んでいます。
 また、奴隷としてアフリカから米大陸に連れてこられたアフリカ系アメリカ人(いわゆる黒人)たちが話していた独特な英語(ピジン・イングリッシュ→クリオール)も米語の中にまぎれ込み、近代米語の形成に大きな影響を及ぼしています。
 また1849年、アメリカ西部で空前のゴールド・ラッシュがあって、多くの人がサンベルト地帯を経由して東から西へと移動していきました。一攫千金を夢見て、カリフォルニアを目ざしているうち、各地の言葉が混じり合って、現在の米語の「共通 語」であるGA(General American)の原形が形成されていったと見なして大きな間違いではありません。
 挨拶言葉の確立には一定のルールらしき形跡が見当たりませんが、地域・民族・階層・年齢・男女の別 などによって、いま現在も新しい言葉が生まれたり滅びたりしています。