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■英語学習室(9−3)シンタックス法(18)
2003.3.12
■mind の「心」を知る
レッスン9−5に下記のフレーズが出てきますが、この文型を使ってのやりとりができれば、英会話四段の腕前と見なせます。
Would you / mind / giving me / your name?
日本人にとって、mindはなじみにくい語です。名詞の
mind はさておき、動詞では“Never mind.”(気にしないで)の mind と、本稿のテーマの“Would
you mind -ing 〜 ?”(〜していただけませんか?)の中の mind が同じように感じられないからです。
mind は mental(精神の)、remember(覚えている)、mention(話に出す)、maniac(マニア)などの語と語源が同じで、名詞では「心」→「精神」→「頭脳」→「記憶」→「知性」(記憶する能力)→「考え」(記憶された事柄」→「意向」→「注意」→「関心」というふうに意味を広げて発展してきました。
動詞の mind は「心にかける」という意味をコアにしていますが、そこから「気にする」→「いやがる」と展開する一方、一方で「気をつける」→「世話する」という方向にも広がりも見せています。
“Would you mind 〜 ?”を直訳すると「あなたは〜を気にしますか?」となります。つまり「あなたは〜をいやがりませんか?」ということですが、それが「〜していただけませんか?」という丁寧な依頼表現として定着したのです。
テーマのフレーズでは give me your name というVOO型の節を名詞化するために
give を giving の形に代えて、giving 以下を mind の目的語にしています。
ちなみに、“Would you mind if 〜 ?”(〜してよろしいですか?)という文型の場合、英語話者の思考は明らかに
mind で一度止まります。したがって、mind と giving 以下とがVOの関係にあっても、思考が当然
mind で切れていると見なして、この語の後ろに意味の区切り線を入れて示しました。
また、giving me your name の部分はVOO型ですが、VOの関係を示す
give me のあとにも区切り線を入れておきました。
英語のフレーズを分析すると、VO(他動詞)またはV(自動詞)が常に核になっていて、これが二重・三重の構造に発展していき、SVが1つしかない「単文」をSVが2つ以上ある「重文」や「複文」にしていきます。
すなわち、テーマのフレーズは「いやではないですか?」と「名前を聞かせてくれ」という2つの内容を含んでいるので、二重構造になるのも必然で、文法書はSVが2つ以上あるこの種の文を複文と定義しています。
さて、本編のテーマ文は「名前をお聞かせいただけませんか?」という意味の質問ですから、テキストでは自分の名前を答えています。しかし、たとえば“Would
you mind faxing this?”(これをファックスしてくれませんか?)と Yes-No
式に頼まれたとき、「いいですよ」と引き受けるのなら“Of course not.”とか“Not
at all.”と答えます。そんな場合、私たちはついつい“Sure.”と言ってしまいそうです。
正確に答えるなら“No, I don't mind faxing this.”となります。つまり、「いやでないか?」と聞かれてるので「いやでない」と答えるわけで、yesで答えると「いやです」ということになります。
もっとも、この構文はアメリカ人の子供たちでもしばしば間違えているので、われわれ日本人が間違えるのは当たり前で、それこそ“Never
mind.”と言っていただきたいものです。
“Would you mind -ing 〜 ?”は頭がこんがらがりそうな文型ですが、日常的によく使われているので、避けて通
るわけにはいきません。参考までに用例をいくつか練習しておきましょう。
(1) Would you / mind / giving me / a moment?(少し時間をいただけますか?)
(2) Would you / mind / making it / tomorrow?(明日までにやっていただけますか?)
(3) Would you / mind / waiting / a few minutes?(少々お待ちいただけますか?)
(4) Would you / mind / excusing us / for a moment?(ちょっと失礼してよろしいですか?)
(5) Would you / mind / giving out these handouts?(この印刷物を配っていただけますか?)
親しい人との間では文頭の would を do に代えて“Do
you mind -ing 〜 ?”と言ってもかまわないし、むしろそのほうが親しみがわくでしょう。
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