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■英語学習室(11−4) シンタックス法(13)
2003.5.
■使役のhaveと所有のhave
英語の動詞の使用頻度ベスト3は、第1位が be 動詞類(8種)、第2位
が have 動詞類(4種)、第3位が do 動詞類(5種)です。ちなみに、( )内に示した種類の数には短縮形や古い形は含めていません。
シンタックス法では、本動詞(main verbs)と性質の違う be 動詞を別扱いにして、英文を「動詞文」と「be
動詞文」とに分けています。じつのところ、be 動詞は脱落させても、意味が大きく変化しないし、また一部の方言や若者言葉ではbe
動詞を使われないほうがふつうのことがしばしばあります。
be 動詞を除いた動詞の使用頻度で見てみると、もちろん have がダントツの第1位
で、これに続く do の約2.5倍も使われています。
have 動詞は用途が広く、have to の形で「助動詞もどき」の働きをしたり、また「完了形の助動詞」としても使われます。
本動詞としての have は基本的には「所有する」という状態動詞です。「持っている」という意味が基本義ですが、つまり所有している状態を表わし、日本語では「ある」「いる」という訳語も出てきます。さらに、「手に入れる」「経験する」「食べる・飲む」「する」などの訳語もありますが、基本的にはいずれも所有状態を示しているにすぎません。
そこで、ブック11の次の2つの文を比べてみると、have の性質がよく理解できます。
(1) Can I / have a wake up call / at 8:00 a.m. /
tomorrow morning?(11−9)
(2) I'll / have the bellman / bring it up / to you.(11−10)
have は他動詞ですから目的語を伴いますが、(1)のそれは
a wake up call で、(2)のそれは the bellman です。棒訳すると、それぞれ下記のようになります。
(1) 「私はできますか?/モーニングコールを持つ(ことを)/午前8時に/明朝」
(2) 「私は(する)つもりです/ベルボーイを持つ(ことを)/それを持ってあがる/あなたのところへ」
上記の2つのフレーズは、(1)は文が目的語のところで一応完結していますが、(2)では目的語のあとに続く言葉を聞かないと意味が中途半端になるという違いがあります。
言い換えると、(1)の文では at 以下が副詞類として添えられ、この部分がより詳細な内容を伝えています。
(2)の bring it up to you は文の要素としては「補語」(C)に相当し、この数語があることで、文字どおり、前の言葉を補って文を完結させています。ちなみに、bring
it up の bring upは「持っていく」という句動詞で、it(テキストでは前の文に
three messages と示されている)が目的語です。to you は副詞類です。
bring という動詞は give と性質がよく似ていて、2つの目的語を従える授与動詞です。たとえば、“Bring
me an orange.”という文が“Bring an orange to me.”と目的語の位置を移動させることが可能で、このテーマは中学・高校の試験によく出てきます。
bring はさておき、(2)の have は「使役の have」と言われ、「させる」と訳すと、日本語らしくなります。
使役の have を使う文型は<(S+)V+O+C>型になります。Cには例文(2)のような「動詞の原形」はもとより、「現在分詞」「過去分詞」「形容詞」など、なんでもござれといった調子で、融通
性のあるいろいろな形をとります。
とはいうものの、英語話者の感覚では、所有の have と使役の have との間にあまり差はないようです。
実際、(2)の文の骨格は“The bellman bring(s) it up to you”で、この部分は<S+V+O+A>の関係になっています。
要するに、I'll で「私の意志」を示し、have で「所有している状態」を告げ、そのあとに最も大切な「内容」を言っています。
英語と日本語は語順がまったく逆で、英語では最初に「意志」「気持」「状態」などを伝えて、これを枕言葉とする言語であることを感じとっていただけたでしょうか。
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