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■英語学習室(12−6)“Simple is Best”(12)より
2003.7.7
■coffee をオーダーできますか?
本シリーズ最後の学習室として、「日本語の中の英語系の外来語」と「そのもとになった英単語」の関係について述べておきます。
結論から先に言うと、「日本語の音声にない英単語の中の音声」が日本語の外来語と化したとき、必然的に「日本語の音声」に置き換えられるために、それらは英語話者に聞き取れなくなる傾向が生じてくるのです。
レッスン12−10に取り上げた70個の英単語は、ギルバートが日本人が使う英語系の外来語を聞いたとき、さっぱり見当がつかなかった何百かの単語の中からピックアップしたものです。よく調べると、これらの語は前述した結論の特徴をよく示しています。
英語話者であれば、誰もがきっとギルバートと同じ経験をするはずですが、たとえば
allergy や energy での語中の〔er〕は明らかに日本語にない音で、日本人はこれを「エル」という音に置き換えてしまいました。
また、button や pump の〔-u-〕は、どちらかと言えば「ア」か「エ」に近い音ですが、なぜだか「オ」に置き換えてしまいました。
そして、casino や police における‘i’の綴りで示される長母音の〔ee〕(日本語の「イー」に似ている)は短母音の「イ」で発音するため、英語話者に聞き取れなくなっています。
そしてまた、Canadian の2番目の母音や radio の最初の母音は、二重母音の〔a-e〕(日本語の「エイ」に似ている)であるのに、短母音ふうに「ア」と発音するので、やはりギルバートに聞き取れなかったのです。
さらに、英語話者は日本人が coffee を「コーヒー」と発音することに驚きます。もし、あなたがアメリカのファーストフード店やレストランで「コーヒー」と言って頼んだら、きっと「コーラ」が出てくるはずです。「コ」のつく身近な飲み物はコーラしかないからです。
coffee は〔k〕〔aw〕〔f〕〔-i-〕という4つの音から成る語です。語末の‘ee’を短母音にして読む理由は、例外と言ってよく、この語が
Abyssinia(エチオピアの旧名)にある地名に由来する英語の中の外来語だからです。
閑話休題−−Abyssinia の地名が歴史や地理の教科書に出てくることもあって、この固有名詞は一般
の人がなんとなく知っていますが、“I'll be seeing you.”と音が似ていることから、学生が隠語ふうに“Good-bye.”の代用に使うことがあります。
ともあれ、ここでの重要なテーマは、最初の母音の‘o’を saw の母音と同じに読む点です。じつを言うと、‘o’の綴りを〔aw〕と読む例はたくさんあって、alcohol
の最後の母音もそうだし、closet の最初の母音もそう読みます。このルールはPV法には示されていませんが、all
と並んで、‘o’を〔aw〕の「別の綴り」と見なすことは可能でしょう。
したがって、coffee を cawffee と書いても、英語話者は同じ発音で読んでくれます。しかし、caffee
と書くと、この ‘a’は cat の〔-a-〕のように読むでしょう。なぜなら、cafeteria
の最初の母音が〔-a-〕だからです。
PV法には、44(子音26・母音18〕のキーサウンドのほかに、別の綴りが28(子音8・母音20)ほど示されていますが、ただいま見てきたように、ほかにも別
の綴りとして扱えるルールがいくつかあります。
PV法の44のキーサウンドは日本語の「仮名」みたいなもので、28の別の綴りは「教育漢字(数が制限されている)の読み方」に喩えていいでしょう。つまり、英単語は「漢字」のようなもので、日本人が全部の漢字を書けないのと同様、英語話者の多くが
bureau とか deja vu のようなフランス語系の外来語を正しく書けません。
■あなたは英会話何段になれましたか?
“Simple is Best”は英会話の「中級の下」程度の教材ですから、一見やさしそうに感じられますが、これを縦横無尽に使いこなすことができれば、英米の日常生活で困ることはなくなります。
「わかる」ことと「できる」ことは大違いで、じつは「わかった」段階ではまだ使いものになっていないのです。「できた」と思っても、使わなければ言葉はすぐに忘れます。できたとき、何度も繰り返し使っておくことが英会話上達の秘訣です。
本シリーズは本稿で終了ですが、12巻全部の95%をスピーキングできれば「強いアマ三段」と検定できます。リスニングできるだけなら「弱いアマ初段」くらいでしょうか。
要するに、スピーキングのほうがリスニングより10倍も難しいのです。よく「話すほうはできるんだけど、英語は聞くのが難しくてねえ」と言う人がいますが、あれは自分が知っている言葉をただ口にしているだけで、状況に即した必要な言葉を適格に言えてるわけではないのです。
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