■英語で買物ができる子供たち
2002.12.25(火)
「みんなは何のために学校に来てるのかな?」とぼくが質問すると、ひとりの子が「義務教育だから」と答えて、別の子がすぐ「未来の準備のため」と返事を重ねた。
昨日はAJ小学校での2学期最後の授業の日で、担任の先生から「子供たちが英語を好きになる話をしてくれ」と言われて、冒頭の問いを投げつけてみた。
「人生の中で、みんなが学校にいる期間はとても短いと思うよ。中学校までなら、たったの9年間しかないのだから、そのあいだに未来の準備をするのはたいへんじゃないかな。しかも、今年から英語の勉強が増えたんで、君たちはますます忙しくなったけど、タダで教えてもらえるのは学校にいるあいだだけで、大人になったら、お金を出さないと誰も何も教えてくれないから、頑張ってちょうだいね。いま勉強しとかないと、あとで勉強しようと思っても、お金がない人には何も教えてくれないよ。
20年後、この中の誰かがニューヨークでコンピューターのプログラマーになってるかもしれないし、イングランドでサッカーのコーチをしているかもしれないね。それは君かもしれないし、君かもしれない。
ぼくだって、君たちの年齢のときは日本に来るなんて夢にも思っていなかったし、日本がどこにあるのかも知らなかったからね。沖縄には2、3年いて、アメリカに帰るつもりだったけれど、サウジアラビアやトルコにも行ったりして、また沖縄にやってきて、けっきょくアメリカに帰ったのはほんのちょっとだけで、これからもたぶん日本で働くと思うけど、未来なんてどうなるかわからないので、ぼくはいまでもコンピューターの前で毎日勉強しているよ。
君たちがいま習っている英語をすぐに使えるチャンスはないかもしれないけど、これからは国際化時代と言って、外人の社長が日本にたくさんやってくるかもしれないし、みんなはそのために小学校から英語を習うようになったんではないかな。ぼくみたいに日本語を話せる外人社長は少ないはずだから、英語を話せたほうがいい仕事が回ってくるんではないかな。
ヨーロッパではたくさんの国がEECという1つのグループになって、その共通語が英語に決まったし、アジアでは中国人も韓国人もみんな英語を勉強しているから、世界の共通語が英語になるだろうし、未来の準備をするなら、とにかく英語をきちんと覚えておいたほうがいいだろうね。
君たちは2学期まで勉強して、買物ゲームが上手にできるようになったから、もうアメリカに行っても買物だけは大丈夫だね。バブ先生が保証するよ。3学期が終わるまでには、もっと上手になるはずだから、1月からも英語の勉強を楽しみましょう」と結んだ。
ぼくは語学教育を「意味」「構造」「音声」の3つの方面から同時に教えていかなければならないと確信している。で、小学校高学年での初年度の目標を「英単語は1000語」「英文型は30〜50型」「音声は44の基本サウンドを言えるようにして、音のつながり方のおもなルールを覚えさせる」としているが、2学期までにほぼ達成できたと思う。実際、AJ小学校の35人のうち30人はもう英語圏で買物ができるんではないかな。3学期はさらに生徒たちのからだに教えたことを埋め込むよう指導していく予定にしている。
このゲームは、ぼくが考案したもので、お客である生徒が店にやってきて、3人の先生(AET=ぼく、JTE、担任教師)が店の役をして、“Hello!”“May
I help you?”から始めて、客側が“Do you have〜?”の文型で店に問いかけてくる。客には予算があって、買い揃える品物を決めているので、値切ったり、安い店を捜さなければならず、“Do
you have this in a different color?”といったフレーズも使わなければならないので、“Do
you have〜?”の文型はほぼ全員が使えるようになっている。さらに、お金が足りなくなったら銀行から借りるなどして、ゲームをどんどんふくらませている。いまの子供たちは子供っぽいゲームや歌を受け付けてくれない。
(バブ・ゴーデン)