■“The Doubleday Children's Thesaurus”
2002.11.6(水)
自分の単語力を知るに最適の子供用辞書
thesaurusとは一般に「類語辞典」を指す。この語をRandom Houseの“Roget's Thesaurus”で引くと、名詞として次のような同義語が列挙されている。
synonym dictionary(類義語辞典)
synonymy(類語表)
dictionary of synonyms and antonyms(類義語・反義語辞典)
conceptual dictionary(概念辞典)
semantic dictionary(語義辞典)
word treasury(語彙庫)
synonym finder(同義語検索物)
word finder(語彙検索物)
thesaurusはギリシア語由来の語で、treasure(宝物、財宝)やtreasury(宝物庫、国庫)と出自を同じくしている。thesaurusとは「宝物である言葉」すなわち「語彙集」のことだが、とくに「類義語および反意語を収録した辞書」の意味で使われている。
synonymは[syn(同)+onym<name(名前)]のことで、synonymyは接尾辞の-yを付けて別の名詞を作っている。
antonymでのant-は「反」を意味する接頭辞anti-の異形である。したがって、thesaurusには反意語も収められていることになる。
finderとは「発見者」のことで、カメラでおなじみのviewfinderは「のぞき窓」のことだ。
なお、コンピューターの用語として使っている「シソーラス」は「キーワードを与えて必要な情報を取り出せるシステム」のことで、これはfinderの意味から生じた概念と見なしていいだろう。
finderは日本語になりにくいため、望遠鏡でもそのまま外来語として取り入れているが、ここでは「検索物」と訳しておいた。もっといい訳語があったら教えてください。
ところで、ここに紹介する“The Doubleday Children's Thesaurus”(Doubleday発行、John
Bellamy編)の見出語にはthesaurusが載っていない。つまり、thesaurusは子供が使う言葉ではないということである。だからこそ、日本人にとっては成人用のthesaurusより重要である。なぜなら、われわれは子供時代を英語圏で過ごしていないからである。
本書に出てくる類語は大半が日常語である。どの1語がわからなくても新聞・雑誌が読みづらくなる。英語が読みたいのであれば、この書に入っている語くらいは知っておかなければならない。
本書は200ページ弱の本で、preface(序文)がなく、introduction(序説)が1ページだけあって、ここに本の性格について書かれているだけで、entry
words(見出語)の数が示されてないので、どれくらいの単語が収まっているか量的な面が定かでない。正確に数えていないのではっきりした数字は言えないが、見出語は約6,500語で、類義語・反意語がその8倍くらいではないだろうか。とすると、50,000語は収録されている。
本書は非常に質が高い。ギリシア・ラテン語系の単語も必要に応じて入っているが、ゲルマン語系の単語が充実して、網羅されている。
自分の単語力を蛍光ペンで消しながらチェックするには本書に優る本を捜せない。英語力は最終的には単語力だから、その第一歩としてチェックリストとして使うには最適の辞書であろう。