■“The Macmillan Guide to English Grammar”

2003.10.29(水)

Ebay のオークションで買うには

 洋書を取り寄せにくいという点において、わが国はまだまだ国際化されていないと言えそうだ。
 洋書と言えば丸善さんだが、どんなにいい本であっても、売れるか売れないかの判断がつけにくい商品を仕入れるわけにはいかない。返本できないからである。
 で、いきおいどこかの大学の先生が教材用に指定したものだけが常備品として店頭に並ぶしだいで、読者個々のニーズに対応する海外出版物の流通システムは築かれていない。
 でも、Amazon が日本に参入してくれたおかげで、洋書がずいぶん手に入れやすくなった。インターネット上で見つけた本なら、アマゾンさんはほとんど日本に在庫しているらしく、1週間もしないうちに届けてくれる。値段もアメリカのアマゾンよりうんと安い。
 日本橋まで出掛けるチャンスは少ないし、丸善さんには悪いけれど、最近はアマゾンを多く利用するようになってしまった。しかし、アマゾンが取り扱っていないマイナーな商品もあって、そんなときは Ebay で捜すしかない。本日ご紹介する下記の書籍は、どうやら絶版のようだから、たぶん Ebay でしか手に入らないと思う。

  “The Macmillan Guide to English Grammar”
   by Rosalind Fergusson & Martin H. Manser
   First published 1998 by Macmillan

 同書は240ページの paperback で、重量は 170g しかない。軽くて、持ち歩くのに便利で、一度見たら多くの人が欲しがる貴重な内容だから、当社の宝物になっている。
 同書の素晴らしい点は、章立てこそ従来の文法書同様 class(品詞)ごとに分けているが、最初の見出しが“What is a sentence?”となっていることからわかるように、英文を組み立てている the five basic elements of the clause(文における5つの要素)に立脚した理論が展開されている。
 英語話者の脳は、すぐに取り出せる「文の要素ごとの言葉の棚」が手前にあって、その奥にときどき使う「単語の引き出し」があるはずだが、同書は最初に文の要素を説明し、そのあと文の要素を成立させている単語を品詞ごとに詳しく解説している。
 つまり、英文を理解するには「S・V・O・C・A」の5要素に足場を置かなければならない蓋然性が強調されている。Oxford の出版物にも同様のスタンスをとる文法書があるが、当社に関係する英語話者たちは本書がいちばんわかりやすいと言っている。
 わが国の公教育では99%以上がA(Adverbial)抜きの4要素で教えているが、片手落ちの気がしてならない。英語の本場の英国で文法理論が変化しているのに、わが国のお役所はいまだに約百年前の C. T. Onions の考え方を踏襲した検定本にハンコを押し続けているようだ。お気の毒な生徒たち!
 じつを言うと、英文にはもうひとつ「つなぎの言葉」として使う接続詞や関係詞という文の要素があるわけで、当社ではこれに「J」の記号を当てて先の5要素に付け加えている。なお、英文を文の要素ごとに図式化するなら、「助動詞」や「助動詞もどき」(wanna = want to、gonna = going to など)も加える必要があることを付記しておく。
 当社の出版物を読んで「英語がわかるようになった」という嬉しいお便りをよくいただくが、その理由はおそらく「文の要素」を単位として英語の構造に迫っているからだと思う。
 話が横道にそれたが、本・ビデオ・CDなどの捜し物をするとき、英語人の間では Ebay を調べるのが常識だが、むろん当社もお世話になっている。Ebay では多くがオークションにかけられるが、Ebay は窓口を貸しているだけで、実際の売買は本当の売り手とやりとりしなければならない。同書については「いくら出せるか申し出てください」とあった。
 わが国にもこの間まで Ebay の出先機関があったが、残念ながら、いまは閉鎖されている。どうやら日本人の英語力が不足しているため、商売にならないらしい。したがって、本書を仮に落札できたとしても、アメリカから取り寄せなければならないので、運賃とか、銀行決済などの関係で値段が3倍から4倍かかってしまう。当社はイギリスのマンチェスターの本屋で7ポンドで買ったのだが、いまは5,000円くらいかかるかも?

(K.T)