■『赤尾好夫編『英語単語熟語の総合的研究』(旺文社)』
2004.8.5(木)
adapt と adopt を混同しない法
私は中学校を卒業するまで意識して英単語を覚えようとしたことはありません。小学3年生から5年生までの3年間、日本語を話さないアメリカ人による週1回の英会話教室に通って、「挨拶、月日、曜日、天気、物の名前、色と形、動作」など、同じ言葉ばかり毎回のように繰り返し言わされたおかげで、中学校に入ったころには、たぶん1,500〜2,000語くらいの英単語を聞いて言えるようになっていたと思います。
中学生になってからは、英語の授業以外、家庭でも英語の勉強をしたことはほとんどありません。英語塾に通ったこともありません。中1のころ、たまにペーパーテストで100点を取ることもありましたが、たくさんの人が100点を取るので、通信簿の評価は最上クラスに入っていませんでした。そして、高校入試前に1カ月だけ受験用の問題集を勉強しました。
高校に入ると、さっそく毎日20〜30語の単語小テストが始まりました。そのとき、私は語源を手がかりに単語を覚える方法を教わりました。最初は20単語の半分以上を新しく覚える印象がありましたが、そのうち意味がわからない単語が10個に1つくらいになったので、単語を覚える学習をしなくなりました。
高1の3学期ころ、河合塾のテストがあって、知っている単語の判定が約7,000と出たとき、私自身とてもびっくりしました。そんなにたくさんの単語を知っているはずないと思ったからです。
現在、私は毎日のように英語の翻訳や校閲の仕事をしています。簡単な翻訳もあれば、日本語で読んでもわかりそうにない医薬物まであります。
最近、翻訳・直訳の専門家のご苦労が少しだけわかるようになりました。映画の字幕屋さんって、大変でしょうね。同時通訳者の能力には恐れいるばかりです。私は翻訳の専門家にはなれませんが、今後も仕事上での英語は避けて通れないと覚悟しています。
私が英単語をどれくらい知っているのかよくわかりませんが、赤尾好夫編『英語単語熟語の総合的研究』(旺文社)をざっと見てみると、だいたい知っています。本書には熟語を併せて約7,500語の単語が収録されていると説明されていますが、これだけの数をいつ覚えたのか自分でも不思議に思います。同書によると、「上位
5000語 が大学受験試験問題(?) の 97% を占めている」そうです。
人間の記憶力には恐るべきものがある反面、頼りない一面もあります。人はすぐに忘れるし、なかなか覚えられないことがたくさんあります。連想できないことは頭に残りにくいと思います。英語は26文字しか使わないし、似たようなつづりがたくさんありますが、それらを混同しないためには語源の知識は重要です。
たとえば、adapt(適合させる)と adopt(採用する)は1字違いで、真中の母音が
cat の〔-a-〕と cot の〔-o-〕ですから、日本人には両方とも「ア」に聞こえます。でも、語根を取り出すと、apt
には adapter(補助器具)という派生語があるし、opt は an optional tour の
option(選択の自由)で覚えておけば、両方を取り違えることはありません。
また、apt は「適切な」という意味で、熟語の be apt to(しそうな)として、助動詞的に使います。apt
と opt からの派生語はほかにもいくつかありますが、語源や絵によるイメージで印象づけておけば、けっこう忘れないでいられます。
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『YESの英単語入門』の第7巻に opt、第8巻に apt が出ています。英単語はあわてず騒がず、じっくり腰を据えて「遊びながら」じわじわ覚えるのがコツです。