■オノマトペで知る英語音(2)

2007.12.28(金)

米語は45種類の音声から成る

 ヒトの話し言葉は、どんな言語であれ、喉から発する声で作られますが、その音声を大別 すると「子音」と「母音」の2種類に分けられます。じつは母音と子音の中間的な「半母音」と称する音声もありますが、最初はとりあえず2種類だけに限定して説明します。
 子音とは、喉から出る音声が調音器官の唇・歯・舌などに妨げられながらも漏れ出る音を言います。一方、喉から出てくる声が口の中の通 路をほとんど何ものにも邪魔されずにそのまま通過する音を母音と呼んでいます。
 多くの言語は、ヒトが発声する個々の音声に対応する「表音文字」を考案しました。英語の音声を示す表音文字は、外国語から「アルファベット」文字を借用しました。ちなみに、日本語の音声に対応する表音文字は、国産の平仮名と片仮名という2種類のオリジナルを考案しています。
 英語を母国語とするおもな国は、イギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドで、それ以外にも英語を第一言語として使用する国がいくつかあります。そのうち、最も広い範囲で用いられる英語は、現在のところアメリカで使われる標準米語と見なしていいでしょう。
 米語の標準音(General American=GA)には45種類の音声がありますが、それらは子音27個と母音18個とから構成されています。ただし、これらの音を表わすはずのアルファベット文字が26個しかないため、英語の音声を示す文字の絶対数が不足することになりました。そこで、英語では2文字で1音を表わす「連字」なるものを発明して、音声と文字の数の帳尻を合わせるという巧妙な工夫を凝らしました。
 すなわち、英語は綴り字と音声の双方の数を一致させる方法において、ひとまずアルファベット26文字に対して、子音字に21文字、そして母音字に5文字を配しました。ところが、‘c’の字が〔k〕と〔s〕の2つの音を有するうえ、また‘q’の字は単独に1字だけでは使わないため、子音字は19個となって、総数の27から19を差し引くと、別 途に8種の連字を作る必要に迫られました。一方、母音は18−5という勘定になるため、つごう13個の連字を準備しなければなりません。したがって、GAの音声に対応する45種の綴りは、下記のように示されます。

 子音単字…〔p〕〔b〕〔t〕〔d〕〔k〕〔g〕〔f〕〔v〕〔s〕〔z〕〔j〕〔w〕〔h〕〔m〕〔n〕〔l〕〔r〕〔y〕〔x〕の19種
 子音連字…〔th〕〔th〕〔sh〕〔su〕〔ch〕〔wh〕〔ng〕〔qu〕の8種
 母音単字=〔-a-〕〔-e-〕〔-i-〕〔-o-〕〔-u-〕の5種
 母音母音=〔-oo-〕〔a-e〕〔i-e〕〔o-e〕〔u-e〕〔oy〕〔ow〕〔ee〕〔oo〕〔aw〕〔ar〕〔or〕〔ur〕の13種

 以上の45種の音声の中には、日本語に似た音声が3分の1ありますが、3分の1はまったく類似性を持たない音です。残り3分の1は耳には似て聞こえるものの、発声法が違う音です。次回から漸次それらの音声を1種ずつ取り上げて解説していきます。