■Vic ? それとも Big ?

2002/01/31

 日本人以外のアジア人、とくに韓国人と中国人の名前は、他国の人には非常に発音しづらく、アメリカ人には正確に発音してもらえないようです。そのせいか、彼らのほとんどがニックネームというか、アメリカでの専用名を付けています。
 一般に Ben、Mary、Danny など、アメリカ人にもよくある名前を付けいてる人が大半ですが、なかには Dong-Ju だからDJとか、 Akeapinya だから Ake もしくはAだけであったり、自分の名前を言いやすいようにアレンジしている人が多くいます。
 日本人の4文字名前も長すぎるので、とくに男の子は短縮形にして、たとえばタカヒロはタカ、ヒロミツはヒロなどのように称していました。
 香港から来ていたある男の子は自分のことを「ビック」と呼んでくれと言いました。「チャイニーズ・ネームは?」と聞いて教えてもらったんだけど、難しくて、みんな挫折して、結局「ビック」「ビック」って呼んでいました。
 「なんでビックなの?」って聞いたら、アメリカに来る前に外資系の企業で働いていたそうで、そこにはたくさんの外国人がいて、気がついたら「ビック」というニックネームがついていたそうで、それをアメリカに来てからも使うことにしたとのことでした。
 ある日、私たちは顔が赤くなるほど恥ずかしい間違いをおかしました。ひとりの日本人の子が「ビックは背がすごく高くて大きいから Big なの?」って聞いたのです。
 私を含めて、そこにいた日本人みんなが「あーー、そっかー、だからかー」と感心してしまいました。ところが……
 「え ? なに言ってんの ? Big じゃなくて、Vic なんだけど……」って。
 〔b〕も〔v〕も私たち日本人にとっては同じバ行だったための勘違いでした。約2カ月もの間、勝手に Big だと思いこんでいた私たちって……。人の名前だけに、すごい失礼な話だよねー。大いに反省しました。
 この話を Bob(Mr. Godin)にしたら、大笑いされました。そして「その種の〔b〕と〔v〕、それとか〔l〕と〔r〕などの間違いは、自分が聞く日本人の英語には数えきれないくらい多くの例があるよ」と一蹴されました。
 あのときは気づかなかったけど、いま思えば、〔b〕と〔v〕だけじゃなくって、〔g〕と〔c〕まで間違ってたってことだよね。Big も Vicも語尾が子音で終わっているから、これまた日本人の苦手なポイントなのかもね。
 真ん中の〔-i-〕だけしか合ってないなんて ! 厳密に言うと、〔-i-〕も日本語の「イ」とかなり違っているんだけどね。

【英語のサウンドとリズム】
 英語の〔b-〕というサウンドは〔p-〕の仲間で、〔v-〕は〔f-〕の同僚です。〔b-〕と〔v-〕は口の使い方がまったく違うので、英語話者にとっては似ても似つかないサウンドですが、日本語にはこれと似た音がバ行しかないので、日本人には両者が同じに聞こえてしまいます。
 耳の中にある蝸牛(snail)での鞭毛の〔b-〕と〔v-〕を聞き分ける部分を使ってこなかったので、きっと錆びついているんでしょう。リスニングの訓練は、聴覚の向上を目ざすものですが、感覚器官ゆえに、思うようには機能アップしてくれません。
 一方、スピーキングは口の筋肉の使い方しだいですから、自分でコントロールできるので、PV法で練習すれば、どんな人でも英語のすべてのサウンドを1年以内に習得できます。
 なお、日本語のバ行は唇をはじいて出すサウンドですから〔v-〕より〔b-〕のほうに似ています。

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