■「イノベーション」とは「現在否定」のこと
2003.1.6(月)
明けまして、おめでとう、ございます。このフレーズは15音節から成りますが、英語の“A happy new year.”であれば、5音節だけで済んでしまいます。年始め早々から「英語の情報伝達の速さ」に改めて気付かされている私でございます。
「一年の計は元旦にあり」と申しますが、「今年こそ英語を話せるようになる」という誓いを立てていただけたでしょうか。ビジネス用の英語はさておき、海外旅行で使う程度の英語なら1年間もあれば十分に話せるようになります。
innovation(イノベーション)という言葉があって、これは「革新」とか「刷新」と訳されていて、要するに「何かを新しくする」という意味でよく使われていますが、ピーター・ドラッガーの本を読むと、この語を「現在否定」と訳してみたくなります。
innovateの語源を分解すると、<in(にする)+nov(新しい)ate(動詞語尾)=新しくした→新しく取り入れる>となり、innovationはその名詞形です。novはnovel<nov+el(指小辞)=新しい話題→小説>の中にも使われています。newやnowはもともと「若い」という意味ですが、novの仲間でもあります。新しい親戚にはneon(ネオン)があり、遠い親戚にはnouvelle
vogue(ヌーベルバーグ=新しい波)があり、この語はフランス映画の分野から英語に入ってきました。ともあれ、これらの姻戚関係を知れば、100以上の単語・熟語を関連して覚えられます。
私はドラッガーを敬愛していて、ひところ彼の本を読みあさり、かつてはノートに彼の思想をまとめたりしていましたが、あるとき彼が多用するinnovationの内容を理解しようとして、この語を「スクラップ・アンド・ビルド」の意味で使っていることにふと気付きました。つまり、何かを「新しくする」には、それ以前に存在しているものを「捨ててしまう」決心をしなければならないことに気付いたのです。しかし、現実に手元に所持しているものは惜しくてなかなか捨てられません。
人間は非常に保守的な動物です。いったん手に入れたものは、それがたとえ間違った箸の持ち方であっても、そのためにどんな不便をかこったとしても、身につけた慣習を頑固に守り続けて、正しい方法に変えようとはしません。今日までずっと英語を身につけられなかった「従来の間違った考え方を決して捨てようとしないこと」が英語を話せない理由であることに残念ながら気付いていないのです。
何年間も英語を勉強して、遅々たる歩みでしか進歩しないのは、やり方が間違っていたからにほかならず、もし英語を話したいなら、自分の考え方をイノベーションするしかほかに手はありません。「刷新」するには、まず「現在否定」から迫るしか術がないのです。
子供が母国語を容易に吸収できるのは、成長途上にある白紙状態の脳を持っているからですが、大人になって母国語の上に外国語を重ねようとするなら、「科学的な方法」で取り組まなければ達成できません。
音声の面では「PV法」と「音則法」、意味の面では「語源法」と「シンタックス法」を用いて学べば、55歳以下の人なら1年間もあれば海外旅行で使う程度の英語は必ず話せるようになるはずです。
とりあえず、バブ・ゴーデンの『アメリカ旅行の英会話文法』を読み、併せて当社のインターネット上の『英語学習室』を参考にしてください。機内、空港、乗物、ホテル、レストラン、買物、市街地、観光地で用いる程度の英会話文なら12カ月で必ず話せるようになります。
(藤田修司)