■株主会社が company って何のこと?

2005.3.31(木)

 日曜日の朝、テレビをつけると、聞くともなく「株式会社は英語で company と言うんや」という声が耳に入ってきた。
 「奇態なことを言う人だな」と思って、耳を傾けると、「company は仲間という意味や」と聞こえたので、この二段論法を結びつけると「株式会社=company=仲間」となるので、この人はいったい「何を言いたいんだろう?」と首をかしげた。
 最後に「そやから、言葉の元の意味を知らなあかんわな」と、その有名なT評論家は三段論法で結んだ。
 ややあって、「あっ、そうか!この人は company でなく、〜Company Inc. と言いたかったのではなかろうか」と気づいた。〜Company Inc. なら「株式会社」を意味するからで、そうであれば「株式会社=Company Lnc.=株主仲間」となる。
 Inc. は incorporated の略語で、会社名のあとに付ける株式であることを示す言葉だが、単語自体は「ひとつに併合した」から転じて、「法人組織の」「有限責任の」などの意味を含む形容詞である。ちなみに、incorporated の動詞は incorporate[in+corporate]で、接頭辞の<in->は「にする」を意味する。
 corporate の語源を“Webster's Unabridged Dictionary ”で見ると、ラテン語の corporare(ひとつの体になる)の過去分詞 corporatus に由来すると示されている。corporate[corpor+ate]の語根<corpor>はラテン語の「体」の意の corpus に由来し、そのままの綴りが英語では「集成」「全集」を意味するようになった。
 〜Company Inc. という言い方は米国式で、英国式は〜Company Ltd. とされるが、limited は「限られた」という意味だから、a limited (liability) company と言えば、「有限(責任)会社」を指す。
 そこで、〜Company Inc. や 〜Company Ltd. を定義すると、「複数の株主が投資して設立された会社組織で、投資者(株主)は自分の投資した株式の割合に対して権利を有すると同時に、責任は保有する株式の範囲内に限定される」となる。もっとも、私は商法上の正式な定義を知らない。
 T氏は「株主会社とは an incorporated company もしくは a limited company であり、株主という名の仲間(company)の持ち物であることを日本人は肝に銘ずべき」と言いたかったのではないだろうか?
 なお、前掲の辞書には company は古フランス語由来で、語源は[com(with)+panis(bread)]と示している。つまり「パンを共に」は「食事を共にする」ことだから、company は「会社」「商社」の意味でも使えるが、決して「有限会社」や「株式会社」とはならない。
 高年齢ゆえか、T氏は耄碌ぎみで、こんな間違いを犯す人物を番組から降ろせないでいる状態は、同局がオランダ人のカレル・ヴァン・ウォルフレンの指摘する日本権力構造の仲良しクラブにほかならないからだと推測する。視聴者は直接的に出演者を選べないのが、ザンネン!。
 NHKの海老沢会長の罪も大きかったが、日枝会長の罪も決して軽いものではない。我田引水系のT氏を降ろすべきと主張する社員もいるはずだが、NHK同様、声を封じられている気がしないでもない。それとも同局はミニ日枝の巣窟なのだろうか?であれば、早いとこホリエモンにメスを入れてもらったほうがいい。
 今回の日本放送の株式取得騒動が大山鳴動鼠一匹になるのか、様子をうかがいながら途中から出てきた禿鷹に漁夫の利を占められるのか、どっちでもいいけど、視聴者をまどわすような内容だけは放映してほしくない。大衆はテレビを神のように信じているのです。で、テレビはけっきょく大衆が見たいものを作っていくわけだが、視聴率だけが国民の意見のバロメーターではないはずだ。
 ホリエモンが規制のチャンネルの事業活動に飽き足らないと考えるのであれば、他人が営々と築き上げた会社を札束でビンタを張って横取りするのではなく、参入可能な衛星放送の方面にでも活路を見い出したらいかがだろうか。資金だけホリエモンが提供して、番組作りは才気煥発なヤングに解放して、それをライブドアのコンテンツにすれば革命が起こるかもよしれませんよ。ホリエモンさん、それくらいのお金は持っているのでは?
 姑息なやり方は大衆に嫌われます。

(藤田修司)