■映画の言語圏とキーワード

2005.10.29(土)

 新刊『英単語マニア』の中で単語解説のために使った例文には、映画やTVドラマから引用したフレーズがいくつかあります。シナリオライターは一言一句を大切にする人たちで、彼らが作るセリフには含蓄の深い表現が多いからです。そのうえ、映画は画面 付きで臨場感に溢れているので、映像といっしょに記憶に残りやすいのです。
 映画には必ずテーマがあり、それを示すキーワードが盛り込まれています。たとえば、“Remember the Titans”は白人と黒人の高校生たちがスポーツ(フットボール)を通して人間的に融合する物語ですが、そのキーワードは integrate[in+tegr+ate]で、この語は「人種・文化・宗教・階級などが異なる人たちをひとつの社会に融合させる」という長い訳語になりますが、映画を見ると、どんな内容を持つ語であるかがはっきりします。
 また、本書のメルによる解説で integrate の語根<tegr>が contact(接触)の語根<tact>と同根で、それらが「触わる」を原義とすることを知れば、語根全体の単語を理解できて、語根1つをものにするだけでおそらく50語以上の単語持ちになれます。
 また、英語は1種類でないことを肝に銘ずべきです。日本語にも各地方に方言があって、性別 や職業や社会的階層などによって違う言葉を使っているように、英語も方言が多く、また人種・年齢・職種・身分などによって使う言葉が大きく異なります。言葉は個人に属するもので、映画はいろいろな英語を学べるまたとない教材です。
 本書は映画で使われたキーワードもしくは言葉の概念をよく示す単語をほんの触りだけ紹介しました。詳しくは読者自ら映画鑑賞をして学ぶことを推奨します。本書が取り上げた映画は、それぞれ英語の言語面 の特色を有するもので、たとえば『マイガール』のセリフの大半は日常会話そのものだから、実生活に供する表現集と言えます。
 1本の映画の個々のセリフを詳しく説明すれば非常に勉強になるはずですが、著作権を侵害するような真似はできません。最近は古い映画のDVDがたくさん売られており、本書で紹介した作品の半分以上は1本1500円以内で入手できるはずです。べらぼうに高い巷の英会話のレッスン料と比べれば安い投資です。映画は最良の英語教材であることを重ねて断言しておきます。
 本書が紹介した「映画の言語背景とおもな登場人物のリスト」
http://www.snkkoi.com/englishmall/books/mania/mania_list.html
を当社のホームページに掲げて、言葉が使用される言語圏の説明に代えさせていただきます。英語の映画が何万本(何十万本?)あるか知りませんが、総合的な学習になるよう種類違いを取り揃えて「選択して網羅」しました。
 失礼な言い方になるかもしれませんが、本書に掲載した程度の単語量がないと、洋画はいつまでも日本語字幕で見ることになります。単語力を増すには、ぜひ本書に紹介した映画をご覧になることをお奨めします。映画のフレーズの面 白さは抜群で、わかると「やみつき」になります。♪やめられない、止まらない、映画−−観賞!

(藤田修司より聞き書き)