■他動詞 put に見る句動詞や前置詞句との関係

2007.2.23(金)

 英語の攻略は「副詞から始めて副詞で完了する」と言えそうですが、adverb(副詞)はラテン語で「付け足した語」という意味です。
 英語の動詞には come や go に代表される「自動詞」および teach や give に代表される「他動詞」の2種類があります。両者は「目的語」を必要とするかしないかによって分類されます。
 英語はたぶん「間投詞」に始まり、それが発展して「行け」とか「来い」などの自動詞につながり、さらに「あっちへ、行け」とか、「あとで、来い」などと、場所や時間などを付け足しの語として加えたであろうと推測できます。
 ところが、「教える」とか「与える」だけでは「何」をするかがわからないため、目的語を必要とする他動詞が生じました。さらに「誰」に対してするかという情報を示すとき、別種の目的語を用いて言い表わすようになりました。teach や give は目的語を2つ伴うことが可能な動詞です。
 他動詞もまた、付け足しの語を必要とする場面が少なくありません。たとえば、put は「位置させる」という意味の語で、「何を」位置させるかを目的語で示さなければならないので、他動詞で使います。そして「(何かを)位置させる」とき、さらに位置させる場所や状況を示す言葉を言い添える必要があります。put はつまり、目的語を1つ伴う以外に、付け足しの語を必要とする他動詞であると言えます。
 とすると、動詞文の基本形であるV+O型すなわち<put +目的語>の形で put を用いることは実際にはありません。したがって、他動詞として第(1)類として示すべき最も単純なVO型に put は出てきません。
 put はつまり、V+O型に副詞類を付け加えて初めて機能しますが、これはV+O+A型すなわち<put +目的語+副詞>の形式をとりますが、この文型を第(2)類として示します。
 さらに、動詞 put が副詞と合体した形へと発展しますが、これを「句動詞」と言います。句動詞は日本語の「持ち上げる」とか「据え置く」などの「複合動詞」と似ています。たとえば、put in なら「取り付ける」、put down なら「書き留める」などの意味で使いますが、それ以外に put in や put down する状況はいろいろあるので、日本語に訳しきれないほど多様な意味を生じます。この<句動詞+目的語>の形式はV+O型になりますが、これを第(3)類として示します。
 また、「(何かを)位置させる」とき、「ある場所に」という情報を付け加えるさい、これは<put +目的語+前置詞句(前置詞+名詞・代名詞)>の形になります。前置詞句は「副詞類」だから、文型はV+O+A型です。これは第(4)類として示しますが、wh 疑問文にすると、“Where / did you / put my hat?”のような文になります。
 そしてまた、<動詞+目的語+副詞+前置詞句>という「(2)類+前置詞句」の形に発展しますが、これはV+O+A+A型として第(5)類として示します。
 さらに、「動詞+副詞」が句動詞化した<句動詞+目的語+前置詞句>すなわちV+O+A型の文型に発展しますが、これを第(6)類として示します。第(1)〜第(6)類の例文は、たとえば下記のとおりです。ただし、第(1)類は put を使わないので hold で示します。

 (1) Hold it!
 (2) Put the gabage in / here.
 (3) Put down your gun. (Put your gun down.)
 (4) Put the plates / on the table.
 (5) Put her thoughts down / on paper.
 (6) Put in a call / to John / tonight.

 なお、第(2)類の put 〜 in はふつう第(3)類と同類の句動詞として説明されます。つまり、put 〜 down または put down 〜 のどちらも句動詞と見なせば、(3)は“Put your gun down.”と“Put down your gun.”の両方が成り立ちます。しかし、前者がふつうだから、英語話者の念頭には常に第(1)類のV+O型が存在しており、in や down がもともと付け足しの語であったことを証明しています。第(3)類の put down は使用頻度が多くなったために慣用化して、それ自体が1つの句動詞となったわけです。
 第(4)類は場所を示す必要があるので、on が前置詞として使われ、後ろに the table を付けて前置詞句を作ります。前置詞は副詞の進展形であるがゆえに、副詞類を作ります。
 第(5)類および第(6)類は以上までの説明で理解できるはずです。動詞文の基本は(1)類のV+O型であるとは言っても、動詞の性格によって使用する文型が決定されます。