『Kiyokoの留学日記』は「語学留学生が英語をモノにしていく過程」を示すことを目的とした内容で、彼女が自分の目線で見た対象を通して、日常生活に使われている英語のフレーズをどのように身につけていくかを描き出すことによって、同じ立場の留学生に役立つのではないかと考えての企画です。
彼女はまだ23歳の学生です。働いた経験はアルバイトをしたくらいで、社会人としてのキャリアはゼロに近く、彼女の日記にあったように、教室で使われている英語が言葉として理解できたとしても、税制やマーケティングなどの授業内容の知識がまったくなく、その面で苦労しているようです。
したがって、現在の彼女の実力では報道のプロと同じ水準の報告はできません。しかし、彼女はテレビのニュースなどを通して、アメリカ社会の日々の動きを詳さに見ているわけですから、日本に帰って社会人になったとき、それらの見聞がよみがえってくるはずです。いまのところ、語学留学に徹して、半年間の英語習得の成果をみなさんに見ていただくことがこの日記の狙いです。
そこで、沖縄在住のラブ・オーシュリさんにアメリカ報告の一例を示してくれとお願いしたところ、次のようにコメントを寄せてくれました。
<アメリカの様子やアメリカ人の物の考え方を知りたいなら、CNNなどの報道の仕方を見るだけで十分です。ただし、日本語に訳したものはニュアンスが変化しているので、英語のまま聞く必要があるけどね。たとえば、CNNのヘッドラインは1つのニュースごとに約1分間ずつしかないのに、田中外相がアメリカを訪問したときのニュースは2分間くらいあって、彼女が終始にこにこしている場面ばかり映していて、日本の報道のあり方とは逆だったね。インタビュアーが慶応大学の教授に「なぜ田中外相は日本のマスコミに叩かれるのか」と質問したら、「日本にはホンネとタテマエがあって、彼女はそれを使い分けずにホンネだけでモノを言うので周囲が困っている」と答えていたけど、その言葉を解釈して、「日本社会では
honest(正直)であったり、straight(率直)であることはいけないことなのか?」とインタビュアーがちゃかしてたよね。あの報道では田中外相以外の日本人が嘘つきと言っているようなもんだね。報道には記者の選択が入ってくるので、必ずしも客観的とは言えないよ。沖縄の中部では米軍用の6チャンネルひとつしか映らないけど、ぼくは自分の目で報道の真実を探っているので、アメリカに住んでなくても十分に間に合っているよ>と。
オーシュリさんはさらに「好むと好まざるとにかかわらず、英語は国際語で、外交・科学・技術・経済などは英語で交流されているんだから、英会話と英語の読み書きができれば、世界のナマ情報が自分の手に入れられるわけで、日本人が英語を勉強しなければならないのは仕方ないことだよ」とも言います。
私どもは「ひとりでも多くの日本人が英語による情報を通訳・翻訳なしに手に入れることができる」ことを活動目標として、そのための教材開発にいそしんでいます。(文部科学省がやってくれればいいんですけど)
できた教材は、私どもが創造性を発揮してきた以上に、使い手にとって創造的に活用できるものでなければならないと思っています。『Kiyokoの留学日記』は生きた英語を熱いうちにみなさまにお届けしたいという観点から公開しているもので、キヨコさんのヨタヨタぶりに共鳴・対論しながら、気軽に参照していただければと思います。11月まで続きます。
新日本教育図書
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